- MTは無料の共通プラットフォーム——検証と自動売買の世界標準
- これからならMT5、MT4は専用資産があるときだけ
- ロットは1.00=10万通貨。0.01から練習する
アルマです。工房の道具棚から、今日は一番大きな道具の話——MT4/MT5(MetaTrader)。世界で一番使われているFX取引プラットフォームです。
国内アプリしか触ったことがない人には「なんだか玄人向けで怖い」道具に見えるはず。でも正体は、無料で・高機能で・世界中の資産(インジケータ・EA)が使える作業台です。検証と自動売買をやるなら、遅かれ早かれここに来ることになる。だから早めに案内しておきます。
MT4/MT5とは——取引所ではなく「作業台」
MetaTraderはFX会社が作ったものではなく、MetaQuotes社が開発した共通プラットフォームです。対応するFX会社の口座を持っていれば、同じ操作画面で取引できる。会社ごとにバラバラのアプリを覚え直さなくていい——これが共通規格の強さです。海外FXはほぼ全社が対応、国内でも一部の会社(楽天証券・外貨ex byGMOなど)が対応しています。
MT4とMT5、どちらを選ぶか
結論はシンプルです。これから始めるならMT5。動作が速く、時間足が21種類あり、経済指標カレンダーも内蔵。開発元も今はMT5に注力しています。MT4を選ぶ理由はただ一つ、「使いたいEAやインジケータがMT4専用のとき」だけ。世界には20年分のMT4資産があるので、この理由は今でも十分に成立します。
注意点はプログラムの互換性。MT4のEA/インジはMT5では動きません(逆も同じ)。将来自動売買をやるつもりなら、使いたいツールがどちらの規格かを先に確認してから口座を選ぶと、あとで作り直しになりません。
導入手順——ダウンロードからログインまで10分
手順1: MT対応のFX会社で口座を開く(デモでOK)。手順2: 口座開設メールに書かれた「ログインID・パスワード・サーバー名」を控える。手順3: 会社の公式サイトからMT4/MT5をダウンロード(PC版・スマホアプリ版)。手順4: 起動して「取引口座にログイン」→サーバー名を選び、IDとパスワードを入力。
つまずきの9割はサーバー選択です。同じ会社でも「Live01」「Demo03」のようにサーバーが複数あり、メールに書いてあるものと一字一句同じものを選ばないと「回線不通」になります。エラーが出たらまずここを疑ってください。
最初に覚える画面は4つだけ
| 画面 | 役割 |
|---|---|
| 気配値表示 | 通貨ペアのレート一覧。右クリックで通貨ペアの表示/非表示を編集 |
| チャート | メイン作業場。時間足切替・ラインやインジケータの追加はここ |
| ナビゲーター | インジケータ・EAの倉庫。チャートへドラッグして適用 |
| ターミナル(ツールボックス) | ポジション・注文・履歴・損益の管理。取引の帳簿 |
メニューは膨大ですが、日常で触るのはこの4つだけ。まずデモでこの4画面を一巡してください。
注文の出し方——ここだけは指に覚えさせる
チャート上で右クリック→「注文発注」、またはF9キー。注文画面で最初に確認するのは数量(ロット)です。MTのロット表記は「1.00=10万通貨」——国内アプリの「1万通貨=1」とは桁が違う。0.01ロット=1,000通貨が練習の単位です。ここの桁間違いがMT移行者の事故第1位なので、発注前に数量欄を指差し確認する癖をつけてください。
成行なら「成行売り/買い」ボタン、予約注文なら注文種別を「指値または逆指値」に切り替えて価格を入力。決済逆指値(S/L)と決済指値(T/P)は発注と同時に入力できます——VOL.012でやった「注文と同時に損切りを置く」型が、MTでは1画面で完結します。


スマホ版とPC版の使い分け
スマホ版は閲覧・決済・簡単な発注には十分ですが、詳細な検証・EA運用・インジケータの追加はPC版専用です(スマホ版にはカスタムインジケータを入れられません)。兼業の現実解は「分析と発注はPC・外出先の監視と決済はスマホ」の分業。なお、EAを24時間動かすならPCを点けっぱなしにするかVPS(仮想サーバー)を使うことになりますが、それは自動売買を本格化させる段階の話——最初は不要です。
国内アプリとの違い——どちらが上ではなく役割の違い
国内各社の自社アプリは日本語完全対応で直感的、スプレッドも狭い。一方MTは検証機能(ストラテジーテスター)と拡張性で圧倒します。億街流の使い分けは「裁量の本番口座=国内アプリ、検証と自動売買=MT」の二刀流。どちらか一方に全てを求めると、必ずどこかで道具に不満が出ます。
デモ口座でログインできた(サーバー名をメール通りに選んだ)。気配値を自分の取引ペアだけに整理した。0.01ロットで成行→決済を一巡した。S/L・T/P付きの指値注文を1回置いた。チャートを1画面=1仮説に整理した。
チャートの整え方——1画面1仮説のテンプレート
MTのチャートは無限にカスタマイズできるせいで、初心者ほど「全部盛り」になります。工房の推奨は1画面1仮説。例えば「日足の200SMAで環境認識する画面」「1時間足で押し目を待つ画面」を別々のチャートにして、定型チャート(テンプレート)機能で保存する。チャート右クリック→「定型チャート」→「定型として保存」で、色・インジ・時間足のセットを何度でも呼び出せます。
配色も道具のうちです。背景・ローソク・ラインの色は「長時間見て目が疲れない」を基準に。デフォルトの黒背景+緑ローソクで問題ありませんが、大事なのは一度決めたら固定すること。見た目が毎週変わるチャートは、パターン認識の学習を毎週リセットします。
ストラテジーテスターの入口——検証の量産機
MT5を選ぶ最大の実利がこれです。表示メニュー→「ストラテジーテスター」で、EAを過去データに対して走らせ、勝率・PF・最大DD・資金曲線まで自動集計してくれる。手動で30回数えていた検証(VOL.001)を、条件を変えながら何百回でも回せます。
ただし順番を間違えないでください。テスターは「検証の考え方」を知っている人の量産機であって、代わりに考えてくれる機械ではありません。アウトオブサンプルを残す、パラメータを増やしすぎない(VOL.010)、コストを織り込む——手動検証で身につけた作法をそのまま持ち込むこと。作法なしでテスターを回すと、過去にだけ完璧なカーブフィッティング製造機になります。
日常運用の実務設定——アラート・ワンクリック・気配値
導入が済んだら、毎日の運用を軽くする設定を3つ入れておきます。①アラート機能——チャート上で右クリック→「注文発注」の下にある「アラート」で、指定価格に到達したら通知を出せます。スマホアプリと連携すれば外出先にもプッシュ通知が届く。「チャートに張り付かず、呼ばれたら来る」体制は、兼業の生命線です。押し目候補にアラートを置いて、鳴るまでは相場を忘れる——これだけで無駄なポジポジ病がかなり減ります。
②ワンクリック注文のオン/オフ——チャート左上のワンクリックパネルは、スキャルには便利ですが、初心者には誤発注装置にもなります。練習期はオフにして、確認画面を必ず挟む設定を推奨します。オンにするのは、注文操作が完全に体に入ってからで十分です。
③気配値の整理——初期状態では数十の銘柄が並んでいます。右クリック→「すべて非表示」で一度空にして、自分の取引ペア(最初はUSD/JPYだけで十分)だけを表示する。画面から選択肢を消すことは、規律をシステムで支えるもう一つの方法です。取引しない銘柄のレートは、あなたを誘惑する以外の仕事をしません。
よくある質問
MT4/MT5は無料ですか?
プラットフォーム自体は完全無料です。費用が発生するのは、有料のEA・インジケータを買う場合と、VPSを借りる場合だけ。まずは無料の範囲で十分に戦えます。
国内FX会社でもMTは使えますか?
一部の会社が対応しています(楽天証券のMT4、外貨ex byGMOなど)。ただし国内は自社アプリが主流で、MT対応会社は少数派です。海外FXはほぼ全社がMT4/MT5対応です。
MT4とMT5でチャートの見た目は変わりますか?
基本操作はほぼ同じで、見た目も近いです。大きな違いは内部——動作速度、時間足の数、検証エンジン、プログラム規格(MQL4/MQL5)です。片方を覚えればもう片方への移行は数日で済みます。
ストラテジーテスターとは何ですか?
MT内蔵のバックテスト機能です。EAを過去データで走らせて成績を測定できます。手動検証(VOL.001)で型を覚えたあと、検証を量産する段階で強力な武器になります。
- MTは無料・高機能・共通規格の「作業台」——検証と自動売買の標準装備
- これから始めるならMT5。MT4を選ぶのは使いたい資産がMT4専用のときだけ
- つまずきの9割はサーバー名——メールの記載と一字一句同じものを選ぶ
- ロット表記は1.00=10万通貨。0.01=1,000通貨の桁確認を癖にする
- 裁量本番=国内アプリ、検証・自動売買=MTの二刀流が億街流
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本コラムは一般的な情報提供・教育を目的としたものであり、特定の売買や投資判断を推奨するものではありません。FX取引は預託した証拠金を上回る損失が生じるおそれがあります。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。執筆: アルマ(億街の住人) / 検証・監修: 億街サロン運営。